EC事業の売却を考え始めたとき、いきなり仲介に相談するのはハードルが高いと感じる方も多いはず。無料相談で実際に何が起きるのかを具体的に説明します。
この記事でわかること
- 無料相談で何を聞かれるのか
- 相談したら必ず売却しなければいけないのか
- 事前に準備しておくと話がスムーズなもの
- 相談から掲載までの日数感
無料相談は「査定の入口」であって契約ではない
相談したからといって、売却を確約する必要は一切ありません。
「相談したら断りにくいのでは」と不安に思う方もいますが、無料相談の段階はあくまで情報整理のフェーズです。事業の概要をヒアリングし、大まかな譲渡希望額の目安を一緒に検討する場であり、そこから掲載に進むかどうかは完全に売り手の意思に委ねられます。
まずは「自分の事業がどのくらいの評価になりそうか」を知る目的だけで相談しても問題ありません。この考え方は中小企業庁が案内する「事業承継・引継ぎ支援センター」の相談窓口とも共通しており、公的機関の無料相談も「まず話を聞いてもらう」段階から始まる設計になっています(出典:事業承継・引継ぎポータル)。実際、多くの売り手は「売る・売らない」を決めきれないまま相談をスタートしており、話を聞いた上で判断を保留するケースも珍しくありません。
「相談する」というアクション自体に心理的なハードルを感じる方は多いですが、無料相談はあくまで情報収集の一環であり、その後の対応を急かされることもありません。まずは選択肢を知ることから始めるという姿勢で問題ありません。
無料相談の料金体系はどうなっているか
売り手側は相談・掲載ともに無料で進められるのが一般的です。
業界を見渡すと、バトンズは売り手側完全無料、買い手側が成約価額に応じた成功報酬(2%・最低35万円程度)という料金体系を採用しているとされ、トランビも売り手基本無料で買い手側が月額課金モデルを採用しているとされています。M&A総合研究所のような法人向け大型M&Aの仲介では、譲渡側が完全成功報酬制(着手金・中間報酬なし、レーマン方式)を採用しているケースもあります。shoppal M&Aも同様に、売り手が費用を心配せずに相談できる設計になっている点は、業界全体に共通する売り手フレンドリーな傾向と言えます。
料金体系を事前に把握しておくと、無料相談の場で「結局いくらかかるのか」という不安を持たずに、事業の内容そのものに集中して話ができます。
実際に聞かれること
月商・利益・運営年数・プラットフォームの4点が基本の質問です。
- どのプラットフォームで運営しているか(自社EC/Amazon/楽天/Yahoo!ショッピング/Shopifyなど)
- 直近6ヶ月ほどの月商と営業利益のおおよその推移
- 運営を始めてからの年数
- 売却を考えているきっかけ・理由
正確な数字を出す必要はなく、この時点では「だいたいこのくらい」という感覚値で十分です。詳細な資料の提出は、審査を通過した買い手との交渉が本格化してからになります。売却理由を聞かれるのは詮索のためではなく、買い手に伝える際のトーン(前向きな理由か、やむを得ない理由か)を整理するためでもあります。
準備しておくとスムーズなもの
会計ソフトの月次レポートや、ASPカート(BASE・Shopify・カラーミーなど)の売上ダッシュボードのスクリーンショットがあれば、初回相談がぐっとスムーズになります。手元に何もなくても、記憶ベースの概算で相談を始めて問題ありません。
準備の有無で相談の質が大きく変わることはありませんが、ある程度の資料を用意しておくことで、その場でより具体的な目安を聞ける可能性が高まります。
相談から掲載までの日数感
多くの場合、相談から匿名掲載まで1〜2週間程度で進みます。
ヒアリング内容をもとに案件情報(ジャンル・月商レンジ・営業利益レンジ・運営年数・希望額)が整理され、匿名の状態で案件一覧に掲載されます。店舗名や詳細な財務情報は、審査を通過した買い手にのみ開示される仕組みのため、周囲に知られる心配をせずに動き出せます。
掲載後、実際に買い手からの問い合わせが来るまでの期間は案件の内容によって異なりますが、条件が明確に整理されている案件ほど、興味を持つ買い手の目に留まりやすくなる傾向があります。
よくある質問
相談だけして、そのまま何もしなくても大丈夫ですか?
問題ありません。無理な勧誘はなく、検討を保留する・見送るという判断も自由です。
電話とテキスト、どちらで相談できますか?
まずはフォームからの問い合わせで概要を伝え、その後のやり取り方法はケースに応じて案内されます。
家族や共同経営者に相談してから決めても良いですか?
もちろん問題ありません。むしろ大きな決断であるほど、周囲との相談期間を設けることをおすすめします。
相談後、しばらく考えてから返事をしても良いですか?
問題ありません。返事を急かされることはなく、自分のペースで検討を進められます。
複数のジャンルを扱っている場合はどう相談すればいいですか?
ジャンルごとに分けて相談することも、まとめて相談することも可能です。まずは全体像を伝えてみてください。
まとめ
- 無料相談は査定の入口であり、売却を確約するものではない
- 聞かれるのは月商・利益・運営年数・プラットフォームの4点が基本
- 相談から匿名掲載までは1〜2週間程度が目安
- 準備がなくても感覚値で相談を始めて問題ない
まずは気軽に、無料相談フォームから事業の概要を伝えてみてください。実際にどんな案件が掲載されているか先に見ておきたい場合は、案件一覧も参考になります。
無料相談を有効活用するための心構え
「売る前提」ではなく「情報収集の一環」というスタンスで臨むと、率直な会話がしやすくなります。
無料相談の場では、事業の良い面だけでなく、課題やリスクも正直に伝えることをおすすめします。良い面だけを伝えて実際の掲載後にギャップが生じると、買い手との交渉段階で信頼を損ねる原因になりかねません。①強み(リピート率、SNS発信力など)②課題(属人化している業務、利益率の低さなど)③売却を考えるに至った背景、この3点をバランスよく伝えることで、より実態に即した目安額の提示を受けられます。
相談窓口は一つに絞る必要はない
shoppal M&Aの無料相談を利用しながら、同時に中小企業庁が案内する事業承継・引継ぎ支援センターのような公的窓口にも相談することは可能です(出典:事業承継・引継ぎポータル)。複数の視点から意見を聞くことで、自分の事業の相場観をより多角的に把握できます。特に法人としての事業承継を視野に入れている場合は、公的機関ならではの中立的なアドバイスも参考になります。
まずは気軽に、無料相談フォームから事業の概要を伝えてみてください。実際にどんな案件が掲載されているか先に見ておきたい場合は、案件一覧も参考になります。
相談前によくある誤解を解いておく
「無料相談=営業をかけられる」という誤解から、相談自体を避けてしまう方もいます。実際には、無理な勧誘によって望まない売却に誘導されるようなことはなく、あくまで売り手の意思決定を尊重した進め方になります。もう一つの誤解が「小さすぎる事業は相手にされない」というものですが、shoppal M&Aの掲載案件の多くは月商〜100万円規模であり、副業サイズの相談こそがボリュームゾーンです。
相談時に伝えると評価がスムーズになる情報
数字面の情報に加えて、①なぜこの事業を始めたのか②どんな顧客層に支持されているのか③今後どんな展開の余地があると思うか、といった定性的な情報も伝えると、単なる数字の羅列以上に事業の魅力が伝わりやすくなります。買い手は数字だけでなく、その事業のストーリーにも価値を感じることが多いためです。
相談窓口としてのshoppal M&Aの立ち位置
EC・ネットショップに特化している分、業界特有の話が通じやすいという特徴があります。
総合型のM&A仲介では、飲食店や製造業、サービス業など幅広い業種を扱うため、担当者によってはEC特有の指標(月商レンジ、ASPカートの種類、プラットフォーム規約など)に馴染みが薄いケースもあります。EC特化のshoppal M&Aでは、こうした業界用語をそのまま使って相談できるため、説明の手間が少なく、スムーズに本質的な話に入りやすいというメリットがあります。
相談することで得られる「相場観」という副産物
たとえ今回は売却を見送るという結論になったとしても、無料相談を通じて自分の事業の客観的な評価額を知ることには大きな価値があります。今後、事業を伸ばすための投資判断(広告費をどこまでかけるか、新商品にどれだけ投資するか)を考える上でも、「今売ったらいくらになるか」という基準値を持っておくことは、経営判断の質を高めることにつながります。
こうした「まず情報を集める」という姿勢は、事業規模の大小を問わず有効な進め方です。また、相談内容や進捗はshoppal M&A側で記録として残るため、一度相談した後にしばらく間が空いても、最初から説明をやり直す必要はありません。忙しい時期は検討を一旦止めて、落ち着いたタイミングで再開する、という柔軟な進め方も可能です。
まずは無料相談フォームから、気軽に問い合わせてみてください。
相談後にすぐ動かなくても記録は残る
一度相談した内容がその場限りで消えてしまうわけではなく、状況が変わったタイミングで再度連絡すれば、以前のヒアリング内容をもとに話を再開できます。「今は時期じゃない」と感じた場合も、遠慮なく一度相談だけしておく価値があります。
無料相談を「棚卸しの機会」として捉える
売却するかどうかにかかわらず、事業の現状を棚卸しする機会として相談を活用する人も少なくありません。
日々の運営に追われていると、自分の事業を客観的な数字で振り返る機会は意外と少ないものです。無料相談で月商・利益・運営年数を改めて整理する過程そのものが、今後の事業運営を見直すきっかけになることもあります。たとえば、原価率や広告費の割合を数字として言語化してみることで、これまで気づかなかった改善点が見えてくることもあります。
「売る前提」ではなく「一度自分の事業を数字で棚卸ししてみる」という軽い気持ちで相談を始める方も多く、その結果として売却を選ぶ人もいれば、そのまま運営を続ける決断をする人もいます。どちらの結論であっても、相談したこと自体が無駄になることはありません。事業の現在地を知ることは、この先どんな選択をするにしても役立つ情報だからです。
相談前に一人で抱え込まなくていい
判断に迷う段階から相談して構わない設計になっています。
「まだ気持ちが固まっていないのに相談していいのだろうか」と感じる方もいますが、むしろ気持ちが固まる前の段階だからこそ、客観的な情報を得る価値があります。一人で抱え込んで悩み続けるよりも、早い段階で第三者の視点を取り入れることで、次に取るべき行動が見えやすくなります。焦って結論を出す必要はなく、情報を集めながらゆっくり考えていくスタンスで十分です。

