EC事業のM&Aは実際にどんな規模感・条件で動いているのか。shoppal M&Aの掲載データをもとに、ジャンル別・価格帯別の傾向をまとめました。
この記事でわかること
- 掲載案件全体の傾向
- ジャンル別の内訳
- 譲渡希望額の分布
- このデータをどう活用すればいいか
掲載案件はすべて自社EC・月商〜100万円規模
47件全案件が独自ドメイン運営の自社ECで、月商レンジは「〜100万円/月」に集中しています。
大企業の事業売却というよりは、個人〜小規模チームで運営されてきたネットショップが中心です。副業として育てたショップを次のステージに送り出したいという売り手が多いことがうかがえます。
ジャンル別の内訳
アパレルが28件と過半数、次いでペット用品6件、スポーツ・アウトドア3件と続きます。
- アパレル:28件(最多。テイストの幅が非常に広い)
- ペット用品:6件
- スポーツ・アウトドア:3件
- インテリア・家具/家電・ガジェット/生活雑貨・日用品:各2件
- 美容・コスメ/ベビー・キッズ用品/その他:各1件
健康食品・サプリ、食品・飲料のジャンルは現時点で掲載実績がなく、今後の掲載動向が注目されます。
譲渡希望額の分布
30万円台〜800万円台まで幅広く分布し、大半は100万円未満です。
譲渡希望額は「直近6ヶ月の平均月次営業利益 × 36」で算出されており、利益率・運営年数の違いによって同じ月商レンジでも金額に大きな幅があります。100万円未満の案件が多いというデータは、個人の買い手にとって現実的な選択肢が数多くあることを示しています。
このデータの活用方法
売り手にとっては「自分の事業がどのレンジに位置しそうか」の目安に、買い手にとっては「どのジャンル・価格帯で案件を探せばよいか」の参考になります。
最新の掲載状況は案件一覧から随時確認できます。
成約データを読み解く上での注意点
このページで紹介しているデータは、あくまでshoppal M&Aに現在掲載されている案件の傾向であり、EC業界全体を代表する統計ではありません。バトンズやトランビといった総合型プラットフォームでは、月商規模の大きい法人案件や、EC以外の業種を含めたより幅広いデータが公開されていますが、いずれも各社の集計方法・掲載基準が異なるため、単純な横並び比較は難しい点にご留意ください。
ジャンル別データをより深く読み解く
アパレルが28件と過半数を占める背景には、①参入障壁の低さ(在庫さえ確保できれば開始しやすい)②SNSとの親和性の高さ(インスタグラムなどでの自然な集客がしやすい)③個人の「好き」を事業化しやすいジャンルであること、といった複数の要因が考えられます。一方でペット用品・スポーツアウトドアといった専門ジャンルは件数こそ少ないものの、専門特化によるリピート率の高さが評価される傾向にあります。
価格帯データが示す「参入しやすさ」
100万円未満の案件が多いというデータは、EC事業の買収が一部の富裕層だけのものではないことを示しています。
日本政策金融公庫の事業承継・集約・活性化支援資金のような公的融資制度を活用すれば(出典:日本政策金融公庫 事業承継・集約・活性化支援資金)、国民生活事業で融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)という枠組みの中で、自己資金だけに頼らない買収も選択肢に入ってきます。もちろん融資を受けるには審査があるため、必ず利用できるとは限りませんが、資金計画の選択肢の一つとして知っておく価値があります。
データを継続的にウォッチする意義
EC市場全体が成長を続けている以上、掲載データの傾向も時間とともに変化していく可能性があります。ジャンル別の内訳や価格帯の分布は、定期的に更新される情報として、今後も継続的にチェックしていく価値があります。売り手・買い手いずれの立場であっても、最新の市場感を把握しておくことは、より良い意思決定につながります。
よくある質問
このデータはどのくらいの頻度で更新されますか?
掲載案件の増減にあわせて、傾向は継続的に変化していきます。最新の状況は案件一覧ページで随時ご確認いただけます。
掲載件数が少ないジャンルは今後増える可能性がありますか?
市場の成長にあわせて、今後掲載ジャンルが広がっていく可能性は十分にあります。
このデータを自分の事業の価格設定に使ってもいいですか?
あくまで参考情報としてご活用ください。正確な目安額は、無料相談を通じて個別の事情を踏まえて算出することをおすすめします。
最新の案件データは案件一覧ページから随時ご確認いただけます。
プラットフォーム別に見るM&A市場の全体像
バトンズは買い手数30万人以上、掲載案件1万件以上、成約件数等5年連続No.1(自社公表)という規模を持ち、売り手は完全無料、買い手は成約価額の2%(最低35万円)という成功報酬型の手数料体系を採用しています。トランビは会員数20万人以上、常時掲載3,500件以上、未経験者のM&A成約率約75%というデータを公開しており、売り案件1件あたり平均15件の交渉申込があるとされています。手数料体系は売り手基本無料、買い手は月額課金モデルです。M&Aサクシードは譲渡希望登録4,284件・譲受希望登録10,831件という規模で、法人限定のプラットフォームとして地銀・事業承継センターとの連携を強みにしています。M&A総合研究所は東証グロース上場企業が運営し、完全成功報酬制(レーマン方式、着手金・中間報酬なし)で、売上規模1億〜100億円クラスの法人M&Aを中心に扱っています。
shoppal M&Aのポジショニング
これらの総合型・法人向けサービスと比較して、shoppal M&Aは「自社EC・個人〜小規模運営」というニッチに特化している点が異なります。掲載47件全件が自社EC、月商〜100万円規模の案件が中心という構成は、他の大手プラットフォームではジャンルの一つとして埋もれてしまいがちな「小規模ネットショップの譲渡」にフォーカスした設計です。
データを活用した意思決定のすすめ
感覚ではなくデータに基づいて意思決定することで、売却・買収いずれの判断もより納得感のあるものになります。
「なんとなく高そう」「なんとなく安そう」という感覚的な判断ではなく、実際の掲載データやジャンル別の傾向を踏まえた上で、自分の状況に当てはめて考えることで、より現実的な判断ができるようになります。特に初めてM&Aを検討する方にとっては、こうした客観的なデータの存在が、最初の一歩を踏み出す後押しになります。
よくある質問(追加)
法人限定のプラットフォームと個人向けのプラットフォーム、どちらを使うべきですか?
ご自身の事業規模や運営形態(個人事業主か法人か)によって適したサービスが異なります。まずは複数の選択肢を比較検討することをおすすめします。
複数のプラットフォームに同時に掲載してもいいですか?
各サービスの利用規約によりますが、比較検討のために複数のサービスに相談すること自体は一般的です。
このページで紹介したデータを踏まえて、案件一覧ページから実際の掲載案件をご覧ください。
月商レンジ別に見る買い手層の違い
月商レンジによって、興味を持つ買い手の属性が異なる傾向があります。
月商10万円未満の小規模案件は、初めてEC事業に挑戦する個人や、副業として始めたい会社員からの関心が高い傾向があります。一方、月商50万円〜100万円規模の案件になると、複数店舗の運営経験があるEC事業者や、事業拡大を目指す個人事業主からの関心が集まりやすくなります。自分の事業がどの月商レンジに位置するかを把握しておくことで、想定される買い手層をイメージしながら、譲渡に向けた準備を進めることができます。
運営年数データが示す「持続可能性」
運営年数が長い案件ほど、単なる一時的なブームではなく、継続的に顧客に選ばれ続けてきたという実績を示しています。1〜2年未満の比較的新しいショップは、これから伸びる可能性を秘めている一方、実績としての裏付けはまだ少ないという評価になりがちです。3年以上運営してきたショップは、季節変動や市場の変化を乗り越えてきた実績として、より高く評価される傾向にあります。
データを踏まえた次のアクション
このページで紹介したデータを踏まえ、売り手の方は自分の事業がどのポジションにあるかを確認した上で、無料相談フォームから具体的な目安額を確認してみることをおすすめします。買い手の方は、案件一覧ページから、興味のあるジャンル・価格帯の案件を探してみてください。
データを見て「自分ごと」として捉えてみる
このページで紹介した数字は、遠い誰かの話ではなく、日々ネットショップを運営している方々が実際に歩んできた道のりの集積です。今まさに自分のショップの将来を考えている方にとって、こうした先行事例のデータは、自分の状況を客観的に位置づけるための貴重な参考情報になります。データを眺めるだけで終わらせず、自分の事業に当てはめて考えてみることで、次の一歩が見えてくるはずです。
数字はあくまで参考情報であり、個別の事情によって実際の評価は変動します。正確な目安を知りたい場合は、無料相談を活用することをおすすめします。
これから掲載が増えていくジャンルへの期待
現時点では健康食品・サプリ、食品・飲料といったジャンルの掲載実績はありませんが、EC市場全体が拡大を続ける中で、今後こうしたジャンルの案件が増えていく可能性は十分にあります。市場の広がりとともに、より多様なジャンルの事業譲渡・買収の選択肢が生まれていくことが期待されます。
気になるジャンルがまだ掲載されていない場合でも、無料相談を通じて希望を伝えておくことで、今後の掲載動向にあわせて情報を提供してもらえる可能性があります。
データを参考にする際は、必ず最新の掲載状況とあわせて確認するようにしてください。市場環境やジャンル別の掲載数は継続的に変化していくため、古いデータだけに頼った判断は避けるべきです。
データを見て「自分の事業はどのポジションだろう」と気になった方は、まず無料相談で具体的な数字を確認してみることをおすすめします。データはあくまで全体像を掴むための入り口であり、個別の評価はそこから先の対話の中で見えてきます。
データを踏まえた自己診断のすすめ
自分の事業の月商・利益・運営年数を、このページで紹介したデータと照らし合わせてみることで、大まかな立ち位置を把握できます。正確な評価を知りたい場合は、無料相談を通じて個別に確認することをおすすめします。
データを踏まえた上で、次に気になる案件があれば、案件一覧から詳細を確認してみましょう。数字の裏側にある事業のストーリーを知ることも、判断材料の一つになります。

